五木村森林組合がストックする木は、山主さんより管理委託を受けた五木村と近郊の山々で育ったものばかり。
人間と同じように、木も素性が分かると安心できるもの。同じ杉桧といえども、育った産地や環境によって、太さ・木目・色など全然違う木に育つものなのです。
五木村森林組合では「SGEC森林認証システム」を取得しており、これは厳しい国際基準をクリアして
「健やかな森林を管理している」「産地を明示した信頼ある木材を産出している」「高度な森林情報管理体制を有する」
組織であること認定するものです。
伐採された葉枯らし乾燥材などの原木は製材所に送られ、粗挽きの後じっくりと時間をかけて自然乾燥させます。
風雨に晒し気候になじませながら含水率を落としていくことで、より美しい赤みを帯び、寸法の狂いの少ない良質な木材となっていくのです。
五木村の杉桧は、涼しい気候でゆっくり育つので、目が詰まって固く、強度が強いと言われます。また伐採地で葉枯らし乾燥させてから搬出されるので、色艶が良く、収縮や割れの少ない特性を持っています。
「原木からの粗挽きは、人間と一緒で十人十色といいますか、それぞれに違う木の個性を読み取りながら一本一本挽いていく経験の要る工程になります。そして挽きたての材はここのストックヤードに桟積みにして、風を通しながら一定期間天然乾燥させています。ここで風雨に晒しながら時間をかけて乾燥させることで材色がより良くなるんですよ」
五木村は、たくさんの杉桧の人工林が獲り頃ですが、広葉樹林もいっぱい残ってるんですよね。
広葉樹が豊かな森林があれば、イノシシも鹿も猿もエサに困らず人里に下りて悪さをしなくなるでしょう。
五木村には、豊かな生態系がバランスよく共生する、本来あるべき姿に戻していく森林づくりが良いんじゃないかと思うんです。
美しい紅葉がいっぱいの名勝なんかがもっともっと増えれば、観光地としてもPRできるんでしょうし、
五木の未来をそういったアイデアで展望してみるのも選択肢の一つだと思うんです。
また近年、新築の需要は減少傾向ですが、自分の家で冠婚葬祭をしていた時代の大きな木造家屋が、
生活様式の変化もあってコンパクトにリフォームする需要が高まると思うんです。
五木村の「森林で自立する村づくり宣言」に集った協定者の中には、優秀な設計士、腕の良い大工もいます。
そういった方々が力を合わせて、美しい五木の材を活かしたすばらしい提案ができたら、どんどん地域社会も活気づいていくんじゃないでしょうか。